がん検診は健康な人の場合であっても異常があるときとないときとの判定を行って、異常ありの結果が出たときには、さらに精密検査を受けることで救命可能ながんの発見を行います。がん検診とは異常ありか異常なしかの判定を行う過程のもので、異常がないと判断されたときには定期的に次の検診を受診することになります。異常ありの判定が出て精密検査を受けることが必要になったときには、精密検査を受診して異常なしか、良性の病変であることがわかったときには、次回また検診を受けることになりますが、がんの判定が出たときには治療を行います。がん検診では科学的な根拠に基づいて検査の評価を行って、効果があることが判明してから実施を行うことが国際的な標準となります。
国家としてがん検診の有効性について、科学的な根拠をもとに有効であると判断されている検査内容について発表されています。現時点で科学的根拠に基づいて有効であると判断されているがん検診の内容としては、胃X線検査、子宮頸部細胞診、乳房の視触診、マンモグラフィー、胸部X線検査、喀痰細胞診、便潜血検査、大腸内視鏡検査などになります。検診を受けることで特定のがんが発見されることで、発見率が示されますが発見率だけでは検診の評価を判断することはできません。受診者の年齢が高い地域であればがんの発見率は必然的に高くなりますので、検診の精度の証明というよりは、対象のグループの年齢によって発見率が高くなったと考えられる場合があります。