日本人の死亡原因の上位には、くも膜下出血や脳出血などの脳血管疾患や脳梗塞などがあります。脳関連の病気は、発症した途端意識を失い、最悪の場合はそのまま命を落とすこともあります。また、後遺症も残りやすく、日常生活に支障を与えるため、がんや心筋梗塞と並んで怖い病気のひとつです。そのため、頭部CTや頭部MRIなどの検査項目がある脳の人間ドックが心臓ドックやガン検診と同じぐらい人気があります。
脳ドックの検査には、それぞれ得意分野や欠点がありますので、その特徴を理解したうえで脳ドックを受診したほうがよいです。脳の人間ドックは、通常の人間ドックと同じく検査を担当する医療機関によって、内容や用いる医療機械は違いますので、具体的な検査内容を把握しておいたほうがよいです。一般的に脳ドックで用いる検査には、「頭部CT」「頭部MRI」「MRA」「頸動脈エコー」が代表的な検査です。そのなかでも頭部CTと頭部MRIの2つを受診すれば、脳疾患のほとんどは検査することができます。
頭部CTは、物質を透けさせるエックス線の特徴を利用した検査方法で、撮影時間が数分で終了するため、微量の被ばくがある以外は身体への負担は少ないです。頭部MRIは、磁気を利用して脳内をさまざまな角度から画像化することができます。撮影時間はCTとは違い、30分程度かかります。磁気に影響を与える心臓ペースメーカーを埋め込んでいる人やアクセサリーを身に着けている人は受診ができない欠点があります。